Diary

_ 皆さん

いよいよ台湾のハーモニカフェスティバルが始まりました。

朝は会場は大混乱。介護を始める前に国際会議のサポートの仕事をしていたときのことを思い出します。日本人はキチット固めて開会、というのが普通ですが、お国柄もあるでしょう。

オープンステージは会場の603号室に出かけてエントリーに成功。混乱の中で、少しでも通じる言語が話せるということがどんなに大切かということを改めて知りました。

今日は4時から約20分間演奏しました。

立ち上がりはいつもの「汽車」、2曲目は日本の情緒として「赤とんぼ」、3曲目に「山の人気者」を演奏しました。

思いがけずアンコールが来て、たまたまポケットに入れていた2本のハーモニカで「夢のタンゴ」を演奏しました。

一緒に行った古賀さんが私の紹介チラシを中国語で作ってくれいたので、会場で配りました。アナウンスの女性も「立派な文章だ」と…。古賀さんには私の紹介を中国語でしていただきました。曲の紹介は私が中国語で。

何しろ楽しくて、会場も大いに沸きました。

今、私の部屋で、今回の台湾ツアーの参加者の簡単な交流を終えたところです。明日はいよいよコンテストの予選。

がんばります。

_ 今日は複音ハーモニカ一般部門の予選が行われました。私はエントリーナンバー16番。

午前9時から行われた予選では午前中に25人がエントリー。それぞれ熱のこもった演奏が披露されました。

ハーモニカは息の楽器ですから、ピアノやギターのように、音が次第に減衰していくのではありません。だから、がんばって吹くと、一つ一つの音が後半に上げ調子になって全体の曲想を壊す結果になります。これは、前回の香港でも感じたことでした。意気をとことんコントロールするということがハーモニカ演奏の異本の一つだということがわかります。

特にに今回の課題曲はいくつもの関門が設けられている難曲でした。ひとつは沢山出てくるオクターブを美しく響かせることの難しさです。特に吹く音のオクターブと吸う音のそれとは幅が異なるため、隣の音を混ぜ込んで雑音になるということがありました。二つ目には、スラーが沢山かかっていてリズムがとても難しいこと、途中からかなり早い演奏に切り替わるところの節目…みんなこの難関に挑戦しました。

私はといえば、普段はしないようなミスがあって、イマイチの演奏でした。

自由曲は「遥かな友へ」の抜粋…というか、予選用アレンジ。

昨日友達になった香港の女の子は午前の部の最後にがんばって演奏しました。

昼からはまだ予選が続いていましたが、ドキュメンタリーの内容の一つだった「台湾での西川さん」というロケ。かなり疲れましたが、3時半にはオープンステージの会場に戻って演奏に備えました。

今日は会場のスタッフが「シーチュアン・ラオシー（先生）」と呼びかけてきたり、すれ違う際にあいさつをかわすひとがふえました。

オープンステージが終わってから、延々と予選の結果発表を待ちました。

皆さん、ありがとうございます。

無事、予選通過です

_ 今日はもう一つエントリーしていたシニアクラスの決賽でした。

日本人のエントリーが6割を超えていて、ここでも「超高齢社会」を意識する場面になりました。シニアは60歳以上のエントリーなのです。私に話しかけてくださった平井さんは85歳。最高齢だったのではないでしょうか。お元気で「ラ・クンパルシータ」を演奏されました。

私のエントリー曲は「荒城の月」。アジア各国でこの曲は大変人気が有って、前回の香港でも多くの人が選曲していた曲です。

私も多くのライブで、エンディングはこの曲がほとんどでした。

“応援団”の友人たちもとても気に入っていただいたようで、とても気持ちのいい演奏でした。

決賽の結果は、明日の閉会式の中で行われるようです。楽しみです。

_ 今日は、私が事務局長をしているＮＰＯ共生支援センターが開催している市民講座「超高齢社会の人間学」の第2期の最終講座でした。事務局の皆さんお疲れさまでした。

_ 今、決賽が終わって、一旦ホテルに帰ったところです。

12時からの予選通過者による決賽は、さすがに聞きどころのあるものでした。

特に予選の日は、私の演奏が終わってから、市中のロケに出たため、それ以降の演奏を聞いていなかったのです。なんと、私以前に演奏した人で私より成績が良かった人は一人だったのです。だから、「この調子ならいいとこにいくかな」とか思ったけど、なんのなんの、私が聞いていなかった予選通過者が13人もいたのです。日本人で予選を通過したのは3人でした。

特に印象に残ったのは、台湾や上海の青年が、難曲をやすやすと吹きこなしていたことでした。これらの国からは子どもたちも大勢参加していたことを考えると、将来はアジアのハーモニカの世界は彼らが牽引していくことになるのでしょう。

私が自由曲に選んだ「遥かな友へ」は、亡くなった友に捧げる曲でした。

実は、7月29日のリサイタルを含めてこれまで6回ほど演奏をしてきていたのですが、全て即興演奏だったのです。今日の決賽で完成させるという曲でした。

遥かなかなたから、友が聞いていてくれたでしょう。

全て満足です。

本当に楽しい時間をすごしました。

オープンステージを含めて、4日間で6ステージをこなしました。おそらく最多出演者だったろうと思います。

多くの友人たちに、心から感謝します。皆さん、本当にありがとうぞざいました。

_ 書き忘れました。

全ての部門の決賽の結果は、この後7時から開けれる閉会式で発表になります。

今日はその後、ホテルの私の部屋で「お疲れさ会」を応援団の皆さんと楽しく過ごします。

_ 閉会式が終わって、今帰りついたところです。

今日決賽が行われた一般無伴奏ソロでは、残念ながら入賞することができませんでした。

もう一つのエントリー「任意形態」の長青組で2位にはいることができました。これまで支えてくださった多くの方々に、心から御礼を申し上げます。どうもありがとうございます。

_ なにしろ閉会式が予定より1時間20分も長くかかったため、「トロフィーを囲んで打ち上げ」は明日の昼に延期です。

_ 中国語の通訳で大活躍の古賀さんは、明日の夕方に仕事が入っているため、早朝の出発です。台湾のスタッフから大人気で、中国語がとても評価された古賀さん、ありがとうございました。

初の国際舞台、まずは入賞できてよかったです。

_ でも、沢山のことを学びました。「来年リサイタルができるかどうかはわからない」と、身体の不安を訴えた身としては、「そんなことは言っておれん」という課題の山です。もっともっと精進しなければならないと肝に銘じた4日間でした。

課題は具体的にこれからの日記で記しておこうと思います。

_ みなさん　ありがとうございました。

_ 何よりも驚いたのは、アジア各国からは大勢の子どもたちや若者たちが参加していたことです。

彼らが3本吹き・4本吹きなども含めて、難局をやすやすと吹きこなす姿は圧巻でした。半音階の持ち替えなども見事なものです。子どもたちの参加枠だけでなく、一般のエントリーの中でも、上位を彼らが独占したことに、アジア各国のエネルギーを感じます。これから10年たてば、この国々では、思いもつかないようなハイレベルの演奏者や、それを支える膨大なハーモニカ人口を抱えることになるでしょう。

前回の香港のときも子どもたちが沢山参加していましたが、今回はそれを遥かに越えるものでした。とりわけ台湾ではこのハーモニカフェスティバルの第1回が開催された経緯もあって、フェスティバルで刺激を受けた子どもたちに対する教育が熱心に行われたことがうかがえます。

日本からの参加者は150人という話でしたが、そのほとんどが高齢者だったこととも考えあわせると、これからの大切な課題が浮かび上がってきます。

もともと複音ハーモニカは日本で発達した楽器です。でも、今や小学校で取り上げられることもほとんど無くなったようで、このままでは廃れてしまいかねません。

前々から願いの一つだった「子どもたちにハーモニカを教えたい」は、かくして明確な課題となりました。

介護の仕事を後進に譲った後は、ぜひとも子どもたちの教室を開きたいと思っています。

_ 今回のフェスティバルで、「複音ハーモニカ無伴奏ソロ」の部門には、かなり難しい課題曲が課せられていました。

この課題曲は、フェスタ用に新たに作曲されたもので、リズムの取り方やオクターブ奏法・マンドリン奏法・ヴァイオリン奏法などの技術レベルだけではなく、途中からかなりテンポの速い曲想に転換するなど、エントリーした奏者を片端から減点していくことが可能なしつらえになっていました。

特に指が不自由なために3本のハーモニカを何度も持ち替えなければならない私は、自分が感じていた完成度を遥かに超える高みまで持っていくことが必要でした。その意味ではかなり甘くなっていたといわざるを得ません。

練習ではできていたオクターブでの跳躍や半音の持ち替えなど、イマイチのできあがりになったことがとても残念でした。

いつも思うことですが、「練習したしこ（だけ）しかできない」のです。

その点、この部門のエントリーで上位に位置した奏者は、やはりなるほどとううなづかされる練習量のつみあげを感じました。

この部門では、予選を通過したものの、決選で入選できなかったことで、とても大きな反省点を持ち帰ることができました。

_ 私たちが歌ったり演奏したりするとき、その本人が聞いている音は、自分の骨を伝わってくる音なのです。骨を伝わって聞いている音と、実際に空気を震わせて人々が聞いている音の間には、かなり大きな開きがあります。録音テープで聞く自分の声が、他人の声のように感じるのはこのためです。

つまり、演奏者は、骨を伝わってくる音ではなく、人々が聞いている音を聴かなければなりません。なっているつもりの音は、おうおうにして、なっていないことが多いのです。初歩の演奏者が、漫然と音を滑らせていってしまうのは、「聴く」ことに対する鈍さだといえます。

その意味で、今回のフェスティバルで上位入賞者の演奏をまじかに聴くことができたのは大いに参考になりました。

私の演奏で言えば、もっともっと、一つひとつの音をクリアに、なり初めからなり終わりまで、徹底して自分のイメージどおりに響き極めるということです。言い換えれば、もっともっと、一つひとつの音をコントロールできなければなりません。

_ アジア各国の若者たちの台頭については以前に書きました。ただ、若者たちはやはりどうしても「技術」を優先しがちです。

これは他の楽器についても言えることですが、目にも止まらぬ早業で演奏することそのものに大きな意味があるとは思えません。あくまでも、自分の表現の手段として技術はあると思うのです。

このため、決賽では、あえてシンプルでアコースティックなメロディラインの演奏にウエイトを置きました。結果として、あまりできは良くなかったということになります。

自作の曲「遥かな友へ」について、もっと完成度を上げておくべきでした。それと、曲のタイトルがローマ字標記されていたため、中国語圏の人たちには何のことやらさっぱりわからなかっただろうという点も、リサーチ不足の感を否めません。

この曲は、小さなハーモニカソナタのような形に、更に成長させようと思っています。

_ 昨夜は筑紫野市二日市の喫茶店エトワールのげたばきライブでした。

今回で３回目です。何度も呼んでいただけるというのはハーモニカ吹きの冥利に尽きます。

今回はハーモニカの愛好者もご参加になり楽しい１時間でした。

台湾でかい際されたアジア太平洋ハーモニカフェスティバルの話を交えて１８曲演奏しました。

街の中にこうした“たまり場”が点々とできていけばいいですね。集まられた人々が作る空気もとても柔らかです。最近はマイクを使うことが多いのですが、エトワールはいつも生音。聴いて下さる方々の反応がビシビシ伝わってきて、本当に気持ちがいい時間でした。３回目とあって、前より上達したという嬉しい言葉も頂きました。

_ 昨夜は、今回のアジア太平洋ハーモニカフェスティバルに西川と共に福岡から参加したメンバーの打ち上げ会を開きました。フェスティバルの閉会式が夜遅くまで開かれたため、２位のトロフィーもよく見ていただけなかったので、会場に持参しました。

なにしろ、テーマを持ったツアーがこんない楽しいものだということを始めて知ったというのが全員の共通した感想です。それぞれの写真を持ち寄って、思い出話に花が咲きました。こんな楽しいたびをもう一度…と、２００８年に杭州で開催される第７回フェスティバルに向けて「旅行積み立て」を始めることに。

あっという間の３時間でした。

台湾に一緒に行った４歳の亮ちゃんと、今回のツアーをアレンジしてくれた台湾出身の小山さんのお孫さんが子どもハーモニカ教室第１号になる予定です。